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札幌でのフレッツの速度低下とDS-Lite(IPv6 IPoE)接続

札幌オフィスではNTTの光ファイバー回線のフレッツの速度低下が問題になっていました。
フレッツの種類はマンションタイプの100Mbpsタイプです。

昼間はあまり問題にならないのですが、夕方以降の速度低下は日により仕事にならないほど。
1Mbps (≒100KB/sec)を下回ることも多々あるとの報告。

少し前にも問題になったことはありましたが、いざ調査すると回復していたりと、速度のブレも大きくて把握しづらい。
ルーターのSNMPを取得し常時モニタリングする方法も考えましたが、ルーターにはVPNも含まれているので純粋なスループットも判別できず先送りでした。
フレッツは2セッション接続できるので、別のプロバイダを併用し迂回回線を作りテストもしましたが、どちらも速度が出ず根本的な解決はせず。

札幌のオフィスを開設してから10年以上、オフィスは駅から数分のところにあるのですが、この10年の間には多くの高層マンションなどが林立するようになり、フレッツ回線を共有していて混雑あるいは輻輳気味だと想像できます。

ネットでも夜の速度低下が各地で問題になっているようで、問題はPPoEの終端装置がボトルネックだとのこと。
そうだとすればユーザーレベルではどうしようもないですね。

そんな中でフレッツ回線でPPoEを経由せずに、IPv6ネットワークを経由(IPv6 IPoE)してIPv4通信をする技術(サービス)「DS-Lite」方式が各社から提供されるようになりました。
それもあるプロバイダ(I社)は3ヶ月お試しできる(解約できる)とのこと。

これは救世主!と試してみました。

ただし固定IPは提供されず、さらにIPv4のIPアドレスを共有しているのでVPN等使えないサービスがあるとのこと。
それでも速度が出るなら迂回回線としては使えるだろうという目論見です。

次にルーターの選定です。

DS-Lite方式対応プロバイダーをいくつか確認すると、ヤマハ・バッファロー・アイオーデータはどのプロバイダーでも機種指定で対応しているようです。

ヤマハのルーターはマイティークラフトの本社でも札幌オフィスでも使用しています。細かく色々いじれて安定しているですが、今回はフレッツ網の先はわからない技術で現時点ではいじりようがないので、WEB画面から設定できる機種にします。

アイオーデータの機種はいくつかのプロバイダーが推奨したり販売したり、G社はDS-Lite接続プランのレンタル機種にもなっているようなので、この「WN-AX1167GR」にします。

早速購入します・・・が、が、が、

 

 

 

 

 

 

安すぎます!税込みでも6,000円しない金額。

ですがちゃんと「IPv6対応」と、接続しようとするプロバイダーのDS-Liteサービス名も記載されています。

16台までの接続できる無線LANにも対応し、業務用のプライスではなく心配になりますが、テストだと割り切って進めます。

お試し可能なプロバイダーI社のサービスにもオンラインで申し込み。
その際に、フレッツの契約時の書類に記載されている「お客様ID」と「アクセスキー」を入力。

次にルーター「WN-AX1167GR」のWAN側をフレッツのIIP電話ルーターにLANケーブル接続し、ACアダプタを接続し電源を入れます。
最近のIP電話ルーターはONU(回線終端装置)の分離が困難な構造なので、PPoEパススルーする設定で使います。

が、が、が、

ルーターに電源ランプが見当たりません。
通常は表面にランプがあるものですが、よく見るとWANポートの横に小さなランプが。。。

気を取り直してLANポートにPCを接続して管理画面を表示し、インターネット接続設定です。

設定はここで「transix」を選択し「設定」ボタンを押すだけ。プロバイダ側で回線判別して認証してるのでしょう。

インターネット接続されたのか実感がありませんが、ブラウザで各ページは問題なく表示されているのでネット接続はできています。
PCからのVPN(PPTP)の接続も問題なくできるようです。

ここで問題無しと判断し、社内用に「固定IP割当/DHCPサーバーオフ/無線LAN機能オフ」 を設定し、LAN側のケーブルを社内LANに接続します。

ルーターを再起動してトップのステータス画面を表示します。

問題なく接続されているようです。

が、が、が、

メニューをくまなく探してみましたが、ルーティング設定(静的ルート設定)のメニューが見当たりません。

おいおい、ルーティングが設定できないのにルーターと呼ばせるな、と叫んでも応えてくれません。

仕方ないので、別のルーターをデフォルトゲートウェイとして、必要時にこのルーターに転送するようにルーティング設定するようにしましょう。

 

さあ最後に、迂回回線を作った目的の速度測定です!!!

測定時間は夕方17時ころ、ただしまだ通常回線の速度低下はそんなにおきていません。

測定には ブラウザから、BNR スピードテスト を使用します。

回線の切り替えにはPC端末からのデフォルトゲートウェイ変更切り替えを使用します。

以下が結果です。

■通常回線(PPoE)
1.NTTPC(WebARENA)1: 20.05Mbps (2.51MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 28.42Mbps (3.55MB/sec)
推定転送速度: 28.42Mbps (3.55MB/sec)

■迂回回線(DS-Lite)
1.NTTPC(WebARENA)1: 73.50Mbps (9.19MB/sec)
2.NTTPC(WebARENA)2: 85.84Mbps (10.73MB/sec)
推定転送速度: 85.84Mbps (10.73MB/sec)

おー、3倍以上早い!

しかし、迂回回線で85.84Mbpsは上限限界ではないかと思われます~100Mbps回線ですから。

今回はテスト目的ですが、やっぱり元のフレッツ回線自体をギガ対応させないと根本解決しないかもしれないですね。

このままテスト運用しながらまた報告させてもらいます。

札幌オフィスのNでした。